御手洗潔のメロディ/講談社文庫/島田荘司

御手洗潔シリーズの短篇集。

ただ4つの中短篇中、本格物は2つにすぎない所がまず物足りない。

「IgE」はその本格物の一つで、ファミレスチェーンのある店で起こった連続便座盗難事件と美女失踪事件が絡んだ謎を追うもの。「水晶のピラミッド」以降に注目された社会性も少し顔を出している。

「SIVAD SELIM」は石岡和己のハラハラする挨拶を体験できる点は面白いし、一応ほんのわずかな謎もないことはないが、謎解きがメインの小説では全然ない。高校生ボランティア団体の音楽企画に関する話。

「ボストン幽霊絵画事件」はハーバード大学時代の御手洗潔の活躍譚で本格物。Zの文字に対する銃痕からついには殺人事件を推理していく。幽霊絵画は物哀しい。

「さらば遠い輝き」は松崎レオナと御手洗のスウェーデンの研究仲間(彼は松崎の旧知の仲でもある)が絡んだ話。推理小説の「す」の字もない作品。

このように旧作を全て読んでいるような熱心な御手洗潔とその仲間達のファン以外には全くお奨めできない内容となっている。
(2003年7月読了)
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テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

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