「窓」/山本禾太郎

「窓」/山本禾太郎/50ページ

懸賞二等當選作である。
記録調書を元にリアリステックに進走していく探偵小説で、この新青年でも初見のタイプのものであった。

なお、この號には収録されなかったが、同列の二等當選作に夢野久作の「あやかしの皷」があるのだが、(一等は該当作無し)、乱歩が「窓」以外の全応募作を幼稚を一蹴したりしているのに対して、本格派の甲賀三郎が「あやかしの皷」を第一に押していうのが面白い。(※甲賀三郎の「当選作所感」) あと、平林初之輔は両者甲乙付けがたいとしながらも好みで「窓」を、小酒井不木と延原謙は両者を評価している。
ちなみに編輯長の森下雨村は「窓」の方を買っており、ついでに「あやかしの皷」同列二等にした感があるようだ。加えて、乱歩が「あやかしの皷」の順位を三着以下にしていた点も考えると、甲賀三郎や延原謙などの評価がなければ、夢野久作のデビューが遅れていたと思うと、微妙な偶然で成り立つ歴史の不思議さをここでも感じざるを得ないであろう。

新青年 大正十五年第七号(特選創作集)=一冊六十銭
(2001/1/11読了)
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ジャンル : 小説・文学

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