瀬戸内海の惨劇 国書刊行会 蒼井雄

戦前の長篇「瀬戸内海の惨劇」と、戦後の短篇「黒潮殺人事件」を所収。
「瀬戸内海の惨劇」は傑作本格長篇であり、「船富家」に匹敵すると言っても全く誇張無しである。
鮎哲の「黒いトランク」を彷彿せざるを得ない柳行李の複雑な動きに翻弄され、思いもよらぬ恐るべき真相。惜しまれるのは、仕方がなかったとは言え解決が急ピッチ過ぎる事と難を言えばどんな小説にも当て嵌まる事である例の不合理な点少々。
当然、総合評価は圧倒的な本格である点には変わりはないのである。恐らく何も知らずに読むと、戦後の作品と思うくらいの、戦前らしからぬ作風だ。「黒潮殺人事件」もよく考えた蒼井らしい時間トリックで、面白い。
(2001年6月読了)
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テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

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