女王国の城(東京創元社/有栖川有栖)

15年ぶりの学生アリスの江神シリーズ。私自身も待ちに待った8年間と言っても言い過ぎじゃなかった。

部長の江神が英都大学推理小説研究会面々の前から突如姿を消した。向かった先にあたりを付けていた織田望月アリスマリアの4人の後輩達は、新興宗教本部がある山奥の村・神倉へと足を運ぶことになるが、そこが舞台ともなる女王国の城。江神に会いたくても入れず、事件が勃発し今度は出れなくなったり。新興宗教と言えどもオウムのような危険はないものの、常識の通用せぬ不思議の国。あらゆる展開が伏線に成り得ていて、トリックそのものは大がかりなものではないがこれぞ本格ミステリというまでのフーダニット&ホワイダニット、最後の最後まで息をつかせぬ謎の連続。様々な動機は宗教だからこそであり、江神シリーズだからこそより生きるというものか。大学生達の生き生きとした描写も清秋ミステリーとしての要素満載で決して15年を感じさせない。

・・・双頭の悪魔までを読んだ時は大学生で当然感情移入が容易だったが、私も歳を重ねたもんだと思わないでもなかったのは感想の蛇足。ただそれでも江神さんとはほとんど同じ年齢なんだったりするが(笑)。
(2007年12月読了)


■日本の地名補足
本作品に出てくる地名をおさらいする。
長野県木曽地域の神倉:もちろん架空だが、長野県木曽地域は当然存在する。木曽郡に属する次の市町村だ。(リンク先は我が別サイトの自治体紹介ページ)
上松町木曽町南木曽町王滝村大桑村木祖村

ちなみに有栖や江神たちの英都大学ミステリクラブは同志社大学なので、京都市にある。

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ジャンル : 小説・文学

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