深夜の魔術師 出版芸術社 横溝正史

戦前戦時中のレア作品を軸にした作品集の第二巻。
本巻では戦中のレアな作品が大半を占める。
由利三津木シリーズだが、散々な目に遭ったりする所が逆に笑える、ある種術に長けあまりにも恐るべき賊・金色蝙蝠との闘い「深夜の魔術師」、
大陸の鸚鵡が日本語を喋ったことから発覚する軍事悲話「広東の鸚鵡」、
裕福な保育園の園長にどういうわけか非常に可愛がられる某若い母親の園児息子の不思議は戦時中だからこその感動家族悲話「三代の桜」、
不倶戴天の家同士の真なる秘密は南方昔話「御朱印地図」、
恨み節に堪えた蒙古での真実「砂漠の呼声」、
南方の漂流船から日本人の遺体。この日本人の意志「焔の漂流船」、
兵隊への慰問文が生んだ内気の少女の起こした一つの大きな奇跡とも言える戦闘力「慰問文」、
明治の昔に起こした神兵の伝説「神兵東より来たる」、
舞台こそ戦中のただ中だが2人の夜泣きの不思議などをメインに据えるなどしっかり探偵小説を見せてくれた「玄米食夫人」、
消息の消えた大鵬丸が行ったプレ活動の偉大さを喧伝しつつその実は当時の切実な恋愛物ぽくなっているのが興味深い「大鵬丸消息なし」、
親を知らぬが、何かしら宿命づけられているという主人公、その親と宿命の謎とは?の「亜細亜の日月」を収録。

いずれも戦中の生きた情勢を反映しているという意味では非常に興味深い。
(2005年1月読了)
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テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

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