七瀬ふたたび/新潮文庫/筒井康隆

家族八景の続編。
七瀬は家政婦をやめていた。
物語の冒頭は大雨の中の列内。ここで七瀬ははじめて他の超能力者を認知し、出会いを重ねていくことになる。
特に三才児で能力を自覚していないノリオとの出会いは大きかった。しかし超能力者との出会いの反動とでも言おうか、その後、本篇では謎のアンチ超能力組織と生きるか死ぬかの争闘にまで発展してしまう…。
このアンチとの闘争がどうも唐突に今までの物語を急変させすぎてしまい、しかもその手法に中途半端感が漂っていることでいまいち本作の評価を落としているように思える。
全体的な出来映えというか、奇妙なことをいうようだが、リアリティな面白さという意味では「家族八景」が遙かに上と言えよう。
むろんテレパスに留まらない超能力が登場するため超能力小説という意味では本作であるし、活劇的面白さも本作ではあるが。

最後に何度も言われてることだが、解説で七瀬三部作ラストの「エディプスの恋人」のネタバレをしている解説執筆者には最悪と評価を与えておこう。
(2006年5月読了)
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