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幻坂/有栖川有栖/角川文庫

お馴染み作家であり、2017年度大阪ほんま本大賞受賞作ということで書店で目立つ位置に積まれていたので、手に取った一冊。
大阪で住んでいながら大坂と呼ばれていたことも良く存じていながら大阪の坂というのをほとんど意識したことが無かったので興味深かったのもある。

天王寺七坂を題材にした怪奇。連作短編集でそれぞれ味わいが全く異なるのが凄みを感じさせる。
実在する天王寺七坂の「清水坂」「愛染坂」「源聖寺坂」「口縄坂」「真言坂」「天神坂」「逢坂」「枯野」「夕日庵」の九編を収録。

「清水坂」は子供の頃の思い出話という内容で、誰もが持つ憧憬と後悔の物語。大阪弁の語りが心地よいが物悲しい。

「愛染坂」は運命の出会いを果たした筈が、運命ゆえに悲しい方向に流れてしまう悲哀。

「源聖寺坂」は館を舞台にしたもっと直截的な幽霊譚。第三者が主役のためか効果は弱いが、変な話だが、もっとも現実味が色濃い怪奇探偵的ではある。

「口縄坂」は猫好きには面白い前半からの不快な後半というアンバランス。あまり効果的な展開ではない。

「真言坂」は死んでしまった恩人がいつまでも幽霊として優しく現れるという話で、物語としてはもっとも幻想的で美しい去り様。ゆえに個人的には本作が最高傑作。

「天神坂」は料理屋を舞台にした作品だが、登場人物が全員普通じゃない。「源聖寺坂」に出てくる心霊専門探偵が出てくるが、こちらの方が本書には相応しい幻想的な怪奇譚。

「逢坂」は小劇場の舞台俳優が主役。幽霊の設定は不思議な安らぎを与えてくれる。俊徳丸の舞台を巡る展開は幻想世界に相応しい。


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tag : 有栖川有栖 天王寺七坂 大阪七坂

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