幼年期の終り/アーサー・C・クラーク、福島正実(訳)/ハヤカワSF文庫

噂に名高いと書くまでもないほど、様々な作品に色濃い影響を残すという古典的名作をいまだに読んでいないことに思い至り、最近の哲学趣味も手伝って、書店でなにげなく購入、早速読了と相成った。


「プロローグ」では、第二次世界大戦を終え、米国とソ連で繰り広げられていた宇宙進出競争で今にも宇宙に飛びだそうとしている時、地球の大都市上空を覆った複数の巨大宇宙船というところで話は始まる。

「第一部 地球とオーバーロードたち」「第二部 黄金時代」「第三部 最後の世代」という章分けであり、プロローグから数えると、100年以上にも及ぶ物語となっている。

まず第一部では宇宙からの来訪者オーバーロードに管理支配されることによって、地球上の紛争は消滅したが、当然、国家のアイデンティ消滅や宗教上の根源問題等もあって、オーバーロードは必ずしも歓迎されていない様子が描かれる。国連事務総長のみがオーバーロードの代表カレルレンと会見が出来るが、その国連事務総長ですらその姿を拝むことは適わないことがその問題をこじらせるが、オーバーロードは最終的に50年後に姿を現すことを人類に約束するのだった。
第二部ではその50年後の世界。姿を現したオーバーロードと地球人の交流などが描かれる。そして第三部は地球人類が幼年期を脱するという衝撃的な終末が描かれるのだ。

宇宙の意志に強制的に従わされることになり幼年期を終えてしまう地球人類の運命は幸福なのか不幸なのか。囚人とも言えるオーバーロードは幸福なのか不幸なのか。
地球人類全体に刻まれた時間を超越した記憶という発想にも驚かされるばかり。それほど時間の概念は宇宙全体にとれば+も-も取るに足らない問題だというのだろうか。
それとわからないのが、オーバーロードによる過剰な動物愛護の精神だ。これは何だったのだろうか?


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