偽視界/星田三平

「ぷろふいる」昭和9年10月号掲載の短編。

星田三平が発表した最後の作品と目される作品。そして最後にして最高傑作といっても過言ではなく、特徴を遺憾なく発揮したSF探偵小説となっている。

視神経に流れる電流に似せた疑似電流によって、見える偽視界、親友の峯川博士の研究成果だ。しかしなぜかその偽視界に映るものは決まって女の顔なのである。 峯川も主人公もその顔に恋を感じるというのだから不可思議な展開だが、峯川には偽視界の研究の最中に見いだした女が別にいる。そして起こった冒頭で述べられるような峯川の完全犯罪と偽視界の秘密とはいかなるものだったか。

それにつけても、この作家はやはりSFの先駆者としてこそ大きな足跡を残していたのだとはっきりわかるではないか。本編しかり、処女作の「せんとらる地球市建設記録」しかり。時代が理解に追いつかなかったことこそ不運だったとしか思えぬのである。

なお本作についても、他の星田作品と同様に論創社「戦前探偵小説四人集」で読むことが可能となっている。
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テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

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