密室荘/麻耶雄嵩

<梗概>
密室四-四というお誂え向きの番地に売り出されていた別荘をメルカトル鮎が買い取り、ワトスン役の美袋三条を招待したまではよかったが、その別荘の地下室に謎の遺体が転がり込むと言う事件が発生した。
メルカトルは別荘は密室状態であり、犯人は自分か美袋かどちらかしか有り得ないという展開だが...


<感想>
ここでも美袋の殺人犯に指名される恐怖と倫理感とのせめぎ合いが見られる。

論理的な解決としては、①メルカトルが殺した、②美袋が殺した、③密室になる前に入りこんでいた者が死んだ
この三つしかないだろう。
①②は本人は否定している旨を美袋の文面から読み取れるが、この二人のような変人は二重人格や夢遊病という可能性は否定しかねるので何とも言えないものの、それでももっとも有力なのは③だろうと思う。

いくら異常な記憶力を持つメルカトルが記憶にない顔だと言っても、数多の恨み(逆恨みではない)を買っているメルカトルのことだから、それだけ見知らぬ関係者からの恨みも多い。

その者がご丁寧にシルクハットの跡を残して自殺したのではないか?
メルカトル鮎としては自分の城に気づかぬ内に侵入された上に自殺されてしまったのではプライドが許すはずもない。警察に乗り込まれるのも当然嫌だろう。

そもそも事件の真相を掴んでいないとこのような解決方法は取れないと思う。
真犯人が実はいるとしたらメルカトル鮎の立場が厄介なものになりかねないからだ。

本作は以下の講談社ノベルス「メルカトルかく語りき」の収録されている一篇となっている。本そのものの感想ページはこちら。



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ジャンル : 小説・文学

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