UFO大通り/島田荘司/講談社文庫

200ページクラスの二編の中編を収録。石岡と御手洗潔の話である。
二編は全く別の話だが、事件のある核心部分に共通点もある。

表題作の「UFO大通り」は古い体質な乱暴な思考の中年警官の語りが特徴的。シーツにぐるぐる巻きでヘルメット、天井にガムテープという異様な状況下で死体が見つかったという展開。そしてUFO大通りのタイトルの示す真夜中に住宅街で宇宙戦争を見たという一人のお婆さんの証言。キチガイ扱いされてしまったお婆さんの話を聞き及んだ御手洗潔が自ら現場に出向きこの不思議な事件を解き明かすというもの。
日常とは思えない異常な状況から、劇的な御手洗の推理によって日常の事件を取り戻していく島田荘司らしい展開が面白い。


もう一編の「傘を折る女」の方は安楽椅子探偵物。御手洗は話を聞いただけで不思議な事件を解決に導く。
大雨の中、傘を車にひかせる異様な行為に隠れた謎とは。この謎をあっさり解き明かした先にあるのは更なる不思議であり、倒叙形式で描かれる犯罪小説が間に挟まれつつ進行していく話の進め方が良い。あまりに唐突な展開だが、現実の奇としてはあり得ないとはいえないため、小説としては十分といえるだろう。

御手洗潔と石岡和己のファンならば、読んで損が一冊といえる。(逆に言えば、ファン以外が読むのは勧めがたいともいえる。)
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テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

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