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蟇屋敷の殺人/甲賀三郎/河出文庫

胴体が首が日本刀でスパッと切り離した死体が東京のど真ん中で発見されるという冒頭。
しかもその死体と思わしき熊丸猛が別に生きているというのだがら既に奇々怪々なのだ。

その熊丸の屋敷が蟇屋敷であり、多数の蟇が邸内に飼われているという異常な屋敷となっている。
主人公の探偵小説家は、かつての教え子の娘が蟇屋敷で秘書をしたこともあり、事件に深く関わろうとするが...
という展開。

東京横浜大阪と舞台は幅広く、主人公たちは危機一髪の連続。白い顔の謎、蟇屋敷の謎、熊丸猛の謎、教え子の娘の謎、 熊丸の奥さんの謎、結局、なんだったのかよくわからない不可思議な謎も割と残るのだが、それも踏まえてもなかなか読ませる甲賀三郎の探偵小説のエッセンスが贅沢につまった探偵小説といえよう。

昭和13年という探偵小説が書きづらくなりつつある時代にあって、予想の一歩上を行く探偵小説だ。


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