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幕が上がる/平田オリザ/講談社

※探偵小説では全くないですが、素晴らしい小説だったので記録します。

地方の高校演劇部を主役にした青春小説。 年に一度の秋の地区大会で負けて県大会に進めなかった二年生時代をプロローグ。 元学生演劇の女王が教師としてやってきたのをきっかけに、「夢なのに夢じゃなかった」までの魅力的な登場人物たちが躍動する。

一人称の語り手は高橋さおり、三年生になり部長となる三年生四人の一人。語り手だけに成長がもっともよくわかる登場人物であり、 作・演出を手がけるために、演出の楽しさ、難しさが伝わってくる。途中で転校生として加入した実力派俳優中西悦子との中盤におけるやり取りは 演出家と俳優の関係が深まるシーンが垣間見えて、ゾクゾクするばかりじゃないか。

意外な展開も挟みつつも、夢へ向かっていく高校生たちの何かを思い出させてくれる素敵なストーリーだ。

これほど演劇の素晴らしさを純粋に如実に伝えてくれる作品を始めて知った。演劇自体を五回くらいしか観たこと無い上に高校演劇部 というものを知らなかったが、相当に楽しめる作品だった。堺雅人が推薦するのも納得。

この「幕が上がる」2/28に映画公開される。監督はなんと踊る大捜査線の本広克行監督というのが注目なのだが、 主人公の高橋さおりを百田夏菜子、中西悦子を有安杏果といったようにももいろクローバーZ五人が主役級を固めるのも注目すべき点だ。 北川景子、柴咲コウなどで知られるスターダストプロモーションの五人だけに演技力にも期待。
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