長い廊下がある家/有栖川有栖/光文社文庫

火村准教授と作家有栖川有栖シリーズ物。
「長い廊下がある家」、「雪と金婚式」、「天空の眼」、「ロジカル・デスゲーム」の4本の短編を収録。


表題作の「長い廊下がある家」は火村准教授の学生が冬の廃村にて遭遇する不可能犯罪事件。
2つの家が地下の長い廊下にて接続されているという状況下で、殺人事件が発生する。
しかし長い廊下の途中に位置する扉は固く施錠されており、死体と殺害場所は、容疑者達とは扉を挟んで反対側。アリバイ時間内には 到達不可能にあるという状況。この事件の謎は?
という話。

どうにも人間心理からして納得いきかねる結末だった。これならば有栖の考えた壮大なトリックの方が面白かったのでは? という感想。


「雪と金婚式」は、仲良し夫婦の金婚式の祝い日に、離れで厄介者の親戚が殺害されるという事件。
容疑者は絞れていたものの、どちらにもアリバイがあるという状況。にもかかわらず、雪降る晩に起こった事件について、 夫は犯人を推理していたが、偶然にも記憶喪失になってしまったため、犯人当てについて火村の出番が来たという展開

その場で認識したその時の状況が必ずしも真実ではないというところが面白いところか。


「天空の眼」、火村助教授が出てこず、結果的に有栖川だけで事件に挑む形となるのが本編。
幽霊の映った写真の相談を受けたこと、その幽霊が映っていると指摘した人物が鉄壁のアリバイを持ちながら、殺人事件の重要人物に取り上げられているという。 有栖川は足を使った実地調査から幽霊と、そして事件の謎を妄想する。

異色作だけに興味深く読める一作。


「ロジカル・デスゲーム」、こちらは基本的に火村准教授と犯人の二人だけが唯一の登場人物。その時点で異色作だが、 この表題作にも嘘偽りもなく、3つのグラスの一つに致死量ちょうどの毒薬が入っているという死のゲームを 火村准教授に挑む変質者が主人公なのである。さてゲームの顛末は?

本短編集で最大に評価できるのが本作である。異色作というのも手伝うが、火村の出した運ではなく論理から導かれた結論の鮮やかさには拍手するしかない。

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