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華竜の宮/上田早夕里/ハヤカワ文庫

プルームテクトニクスの果てに待っていた海面が270m上昇により、地球の生態系は大きく様変わりした世界が舞台。
人類は遺伝子操作を行うことで、環境激変世界を息抜き、再び繁栄を謳歌していた。
特筆すべきは、魚舟と共に生きる海上民の設定だろう。現世界に比べ、遙かに海の比率が増した世界だけに、海に特化した人間を生み出した 人類は、魚舟という居住空間で生活しているのだ。元の地上は汚染物質を垂れ流しているため、極めて汚染された世界でもある。

一方で現世界同様に陸上に住む陸上民もおり、技術文明を制御しているのは陸上民となっている。陸上民も脳を改造しており、 補助脳を通じてサポート知性体とのやり取りが可能となっている。いわばテレパシーが意思疎通手段として発達しているのだ。

汚染された海にて、生まれる突然変異体の獣舟や致死率が極めて高いクラゲ、陸上民と海上民の対立、陸上の国家間の対立、 中盤以後に判明する更なる絶望的な異変に直面する人類とその対策、とにかく想像を絶する近未来の状況だけでもお腹一杯にもなるのだが、とにかく物語のエッセンスとなるものは数多い。

想像を絶する設定だけで満足してしまうような作品だけに物足りない点も多い。獣舟変異体に対する見解が最たるものだ。気味の悪さは無いのだろうか?
人類の生んだ魚舟の子だから気にするのが間違いだというのだろうか? 遺伝子工学で辛くも生き残っている状況だけに既に何もかも乗り越えているのだるか?

更に言えば、そもそも人種、民族、宗教などもどうなったのか、遺伝子操作や人体改造までして生き延びることを良しとしないグループはいなかったのか? なども気になる。

無理矢理まとめるが、とにかく良くも悪くも典型的でよくある未来を描いたSFではない。圧倒的な海面上昇後の未来を描いたしっかりした設定のもとになりたっている長編SFだ。
楽しめることこの上ないのだ。

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