隻眼の少女/麻耶雄嵩/文藝春秋

2011年本格ミステリベスト10の1位作品とはいえ、麻耶雄嵩なんだから、きっと変な作品だろう、と期待して読み始める。

語り手の主人公は父が母を殺し、父を過失とはいえ殺してしまった世に絶望した22の男。
自殺場所を探して、古い因習が根強い栖苅(スガル)村にやってきていた。
今事件は彼の人生を大きく左右するものになったのだろうか?
もう一人の主人公とも言うべき隻眼の少女は、平安時代の衣装である水干を身にまとった探偵。同様に隻眼だった亡き母親が名探偵で、警察にも一目置かれている。父親とともに、同じく栖苅(スガル)村にやってきていた。
今事件は彼女の人生を大きく左右するものになったのだろうか?
その栖苅(スガル)村で発生する連続殺人事件。うら若い娘の首が意味ありげに切断されるという凄惨なものだった。
そんな筋にもかかわらず、所々で微笑、苦笑、哄笑、爆笑する場面があり、全体で見ると微笑が多いくらいだ。

物語は、第一部1985年編と2003年編に分かれている。
1985年編がメインであり、これ単体でも独立した面白さは確保している。
自殺志願者の主人公が探偵助手見習いになり、探偵役の隻眼の少女と仲良くやっていく様はほほえましいものがあるだろう。
もっとも2003年編で、絶品のナンセンスを味わうことだが。



個人的な感想を言えば楽しめた。本格探偵小説としては古典的な手法の使い回しに過ぎないのだが、用意した道具立てが豪華絢爛というか、各種の笑いを誘うものだというか。一気に何種類の小説のタイプを味わうことが出来る贅沢さというか。水干やらオコジョが意外なところで役に立っていると馬鹿馬鹿しさだったりというか。
読後感が良いというのも変な話だが薄気味の悪さを感じる話だった。

メルカトルや貴族探偵、烏有などもそうだが、この隻眼の探偵が活躍するものは今後も読んでみたいものだ。もちろん今作と全く関係ない話でだが。


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