疑問の三/橋本五郎
「疑問の三」というのは橋本五郎、唯一の長篇で、昭和8年に新潮社から出た新作探偵小説全集の第五巻として刊行されている。私はその初刊以降初再録となったと思われる「幻影城 1977年11月号、12月号」で読んだ。
事件の発端は、明治44年の一銭銅貨を握らされた連続殺人が発生、しかもどの殺人においても、医師の診断した死亡推定時刻より後に、既に死者のはずの者が何者かと寄り添って歩いたり身体を動かしたりしているのを、ハッキリ目撃されているという怪事件。
主人公格の新聞配達二人も巻き込まれるが、果たして、この怪事件の真相と、そして疑問の三の意味とは!?
神戸と東京を舞台にした一大舞台の不可思議連続殺人コース、と言う展開になっている。
途中のプロット部分は興味深くもあるし、一線銅貨の謎、死亡推定時刻の謎なども面白くはあるが、長篇をもたせるには、くどすぎた点、または主人公格の中途半端な行動描写の点、序中盤プロットに対する後半から真相の拍子抜けの点など、力不足の点も多々あるのは否めない。
が、実現性はともかくとしてトリックの面白さ、疑問の二番目の隠し方と行動背景は評価できる点だろう。
(2004/03/01読了)
事件の発端は、明治44年の一銭銅貨を握らされた連続殺人が発生、しかもどの殺人においても、医師の診断した死亡推定時刻より後に、既に死者のはずの者が何者かと寄り添って歩いたり身体を動かしたりしているのを、ハッキリ目撃されているという怪事件。
主人公格の新聞配達二人も巻き込まれるが、果たして、この怪事件の真相と、そして疑問の三の意味とは!?
神戸と東京を舞台にした一大舞台の不可思議連続殺人コース、と言う展開になっている。
途中のプロット部分は興味深くもあるし、一線銅貨の謎、死亡推定時刻の謎なども面白くはあるが、長篇をもたせるには、くどすぎた点、または主人公格の中途半端な行動描写の点、序中盤プロットに対する後半から真相の拍子抜けの点など、力不足の点も多々あるのは否めない。
が、実現性はともかくとしてトリックの面白さ、疑問の二番目の隠し方と行動背景は評価できる点だろう。
(2004/03/01読了)
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学