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閉鎖を命ぜられた妖怪館/山本禾太郎

閉鎖を命ぜられた妖怪館/山本禾太郎

山本禾太郎、「新青年」昭和2年4月号掲載の短篇。
妖怪館を好む主人公は弁護士業。それが人の山を嫌い、夜一人で妖怪館に行くと、卒倒者が発生し、それが後に大いに関係して来るという展開。妖怪館は閉鎖の憂き目を見るが、その後、主人公、デパートからの身投者が通行人を圧殺するという事件に絡み、大いに苦しめられるが、恐るべき藁人形の呪いは、大いなる天啓となったのである。
なお現在、論創社「山本禾太郎探偵小説選(1)」で読める。
(2003/9/25初出[妖鳥の涙])


テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

龍吐水の箱/山本禾太郎

龍吐水の箱/山本禾太郎

山本禾太郎、「新青年」昭和4年3月号発表。
囚人と看守による回想形式で面白い味な逸品。久山秀吉こと隼の秀は独房で更に目に余る乱暴者だったが、隣の独房に来たりし美しき囚人を境に従順になっていく。この犠牲的同性愛心理。そして誰にも優しき看守に対して巻き起る悪魔世界の猛烈な嫉妬。この嫉妬が龍吐水の箱で復讐を生みだしたのだ。しかしその奸計から看守は救われた。その意外性。隼の秀は完全なる敗北を喫したのだ。様々な秀要素が混じった一流の面白さ! 
なお現在、論創社「山本禾太郎探偵小説選(1)」で読める。
(2002/1/20初出[妖鳥の涙])


テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

窓/山本禾太郎

窓/山本禾太郎

山本禾太郎・懸賞当選の処女作で「新青年」大正15年6月号に載った。
複数の影が現れた後に残ったものは死体が一つだった。容疑者・関係者達の聴取書や被害者の鑑定書など様々な報告書から構成された実務に沿った特異とも言える探偵小説で、それらからデーターが拾われて解決に至るという物である。しかし恋愛も絡む様々な矛盾した供述や思惑などが噴出したために五里霧中に落ち込んだこの難事件も意外な窓の眼は逃れえなかったのであった。
なお現在、論創社「山本禾太郎探偵小説選(1)」で読める。
(2001/11/19初出[妖鳥の涙])


テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

「反対訊問」/山本禾太郎

「反対訊問」/山本禾太郎/14ページ

禾太郎らしい形式なのだろうが、駄作である。証人と弁護人二人の対話形式であるのでだが、中身は詰まらない上に普通過ぎるのである。
掲載誌:新青年 昭和四年夏季増刊(第十号)
(2001/6/21読了)

テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

「龍吐水(ポンプ)の箱」/山本禾太郎

「龍吐水(ポンプ)の箱」/山本禾太郎/17ページ

禾太郎がこの手のユーモア探小を書くとは発見であり、随分面白い作品でもあった。
久山秀吉、隼の秀が主人公の一人という、なんかどっかで見たことのある設定からしてユーモアだ。その彼は職が職だけに独房に入れられてしまうが、隣の独房者に同性愛にも近いものを感じてしまう所も描写も良いし、看守にそれを邪魔されたと早合点するところも面白い。
その際の龍吐水の箱の錯誤は、之は大したように思われないが、それの仕掛け人がまたちょっと意表であり、読後感もスッキリして良い。
掲載誌:新青年 昭和四年三月号(第四号)=一冊六十銭
(2001/6/13読了)

テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

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