猟奇商人/城昌幸
世の刺戟に飽きてしまった主人公が出会う不可思議で新しい刺戟、それについて語られるのが本編となっている。
その刺戟を得られるのは初回の1回限りだというが、犯罪性もあるわけでもないが、罪悪感からなるという。
不思議な猟奇商人の口車に乗って、ほいほい刺戟を得るために追随した主人公の得た得難い刺戟とはいかなるものだったか
コント風にも取れるオチとしては十分に想像が付くものではあるが、十二分に楽しませてくれる現実的でもある身近な怪奇の世界をかいま見させてくれるのは楽しい。
なお現在、ミステリー文学資料館編の光文社文庫『悪魔黙示録「新青年」一九三八』などで読むことが可能となっている。
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学