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猟奇商人/城昌幸

「新青年」昭和13年1月号発表の作品。

世の刺戟に飽きてしまった主人公が出会う不可思議で新しい刺戟、それについて語られるのが本編となっている。
その刺戟を得られるのは初回の1回限りだというが、犯罪性もあるわけでもないが、罪悪感からなるという。
不思議な猟奇商人の口車に乗って、ほいほい刺戟を得るために追随した主人公の得た得難い刺戟とはいかなるものだったか

コント風にも取れるオチとしては十分に想像が付くものではあるが、十二分に楽しませてくれる現実的でもある身近な怪奇の世界をかいま見させてくれるのは楽しい。

なお現在、ミステリー文学資料館編の光文社文庫『悪魔黙示録「新青年」一九三八』などで読むことが可能となっている。

テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

+・-/城昌幸

+・-/城昌幸

城昌幸、「探偵文芸」昭和2年4月号に掲載されたショートショート。
プラスとマイナス、1と0しか世の中に無いというのだろうか。傘を持った見知らぬ男は、いきなり近づいてきた。そして話し出したのである。一方がプラスならば、マイナスもどこかへ。神が救うべきはマイナスこそ。これで世の中の均衡が取れるという物なのか。しかし傘を持った男は、傘をマイナスしたばかりに、総決算が0に変じてしまったのだ。
この怪奇掌編、現在気軽に読める本がない(数年前までは角川ホラー文庫「爬虫館事件(新青年傑作選)」等で読む事が出来た)。
(2003/9/25初稿[妖鳥の涙])


テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

その暴風雨/城昌幸

その暴風雨/城昌幸

城昌幸、「新青年」大正14年9月号に掲載されたほんの短い短篇。
暴風雨は旅客船を襲いかかっていた。そして一等運転手は必死に対応作業をする。ともあれ決して沈没を恐れるまでもないのだ。そして船客が尋ねて来たので、全然大丈夫だと答えたのである。所が、数十分後にはまたもや全く同じ問いをして来る船客。これには苛立ちを覚えざるを得なかったのだったが…。
さて、何とも言えぬ恐怖の読後感を引きずる本作は、現在、春陽文庫「死人に口なし」などで読む事が出来る。
(2002/12/18初稿[妖鳥の涙])


テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

情熱の一夜/城昌幸

情熱の一夜/城昌幸

城昌幸、「探偵」昭和6年6月号発表短篇。
新婚の友人宅で起こった情熱の一夜。主人公は招かれていたが、夜中妙な物音の前に起き出してみるが、そこに待ち受けていたのは、主人。しかも様子が奇々怪々なのである。果たして気でも違っていたのだろうか。ノン、それは起こるべくして起こった情熱の一夜だったのだ。
大した効果ではない凡作に過ぎない本作だが、現在光文社文庫「『探偵』傑作選」で読む事が出来る。
(2002/11/13初稿[妖鳥の涙])


テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

シャンプオール氏事件の顛末/城昌幸

シャンプオール氏事件の顛末/城昌幸

城昌幸、「探偵文芸」大正15年10月号に掲載された短篇。
シャンプオール氏は苦悩に付きまとわれていた。何故かはわからない苦悩。そして語った。その悪魔のような呪いにまとわりつかれた自身の話を。それは行く先常々出会ってしまう同一の一婦人。見も知らぬ婦人。糸で結ばれてるかのように呪いのようになぜか離れぬ一婦人。しかも世界中を旅しているシャンプオール氏だというのにである。その顛末とは如何なる物だったか。
なお現在、光文社文庫「探偵文芸傑作選」等で読む事が可能である。
(2002/3/17初稿[妖鳥の涙])


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