誘拐者/山下利三郎
誘拐者/山下利三郎
「新趣味」大正11年12月号発表の山下利三郎処女作。
娘を誘拐した旨の脅迫状が届いたのだが、その文面と表沙汰にしたくない心理が重なって、警察には知らせずに私立探偵に依頼した。しかし私立探偵は相手先に出向こうとはせずに、娘の部屋を調査したり、宅地の値を調べたり、生徒手帳を調べるというトンチンカンらしきことをやってのける。さて、その真意とは!? 大した事ないのは言うまでもないが、推理形式を採っており、この時代の処女作としては充分なものである。
なお現在、論創社「山下利三郎探偵小説選(1)」などで読める。
(2003/9/25初出[妖鳥の涙])
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学