深夜の客/保篠龍緒
深夜の客/保篠龍緒
保篠龍緒の短篇で、「文芸倶楽部」昭和6年4月増刊号に掲載されたもの。
紅色ダイヤを巡る攻防戦。ルパンの翻訳家の大家・保篠龍緒らしい展開だが、どうもやはり面白味は薄いとしか言いようがない。侠盗対怪盗、かなり即判読には無理のある電話による暗号とエッセンスは一応揃ってはいるのだろうが。事件は名探偵の元に依頼に来た夫人から始まり、それが二年前にペテンにあったというのである。
なお、現在、読める本は存在しない。しかしそれも仕方ないだろう。これについては所詮はその程度の凡作なのである。
(2002/1/19初稿[妖鳥の涙])
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学