犠牲者/平林初之輔
犠牲者/平林初之輔
平林初之輔、「新青年」大正15年5月号発表の法律的探偵小説。
歯車として大満足し、それ以上何も望まぬ男の夢は崩れ去るのは砂上の楼閣よりも一瞬の出来事だった。法律が解決しえない事件に巻き込まれてしまった男の悲惨。解決のない事件も有り得るかもしれないのだが、状況は男を包囲する。雪道での脳天への打撃、そして気絶が、馬鹿のように善良な男に降りかかった時、そしてその嫌疑者としての警官への対応が犠牲を作り出したのだ。ああっ、愚人。
なお現在、論創社「平林初之輔探偵小説選 1」等で読む事が可能である。
(2003/9/25初稿[妖鳥の涙])
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学