船富家の惨劇/蒼井雄
船富家の惨劇/蒼井雄
昭和13年の春秋社の書下し刊行の、蒼井雄の誇る、いや戦前の日本探偵小説界が誇りうる長篇本格、至高の最高傑作である。
そのパフォーマンスたるや海外本格にも全く遜色しないものである。この大阪、南紀、飛騨、東京と広大なスケールで展開される絶大なるアリバイトリックはまさに圧巻そのものであり、クロフツとフィルポッツに挑戦し、ある意味勝利の凱歌を上げている恐るべき完成度。
なお、現在
創元推理文庫「名作集2」
で読むことが出来るので、とりあえず未読の方には一読をお奨めする。
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学