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罪と罰 河出書房 ドストエーフスキイ 米川正夫

何たる圧巻だろうか。主人公の青年・ラスコーリニコフは福音を得るためには通らねばならぬ試練だったというのだろうか。それだけ彼は自己の理論に酔いしれていたというのか。非凡人超人主義者は挫折を味わう必要があったのだろう。さもなければ、彼はいつまで経っても目が覚めない迷走地獄で、幻想だけに取り憑かれていたかもしれない。その福音までの犠牲は確かにあまりにも大きかった。しかし彼は偶然の要素も手伝いながら生への執着もあり最終的に打ち勝ったのだ。ひょんな事から気の毒な娼婦から最大の精神的救世主となる資格を得たソーニャ、恐るべき憎むべきようで同情を誘わずにいられないスヰ″ドリガイロフ、惨いくらい自己に酔うのみのペテローヰ″ッチ・ルージンなどなど・・・・・、とにかく罪と罰、心理的要素も満載で、絶讃である。
(2001年11月読了)

テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

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