英海峡の怪奇 黒白書房 クロフツ 甲賀三郎・訳
甲賀三郎の訳書としては唯一のものだと思われる一書。
甲賀訳の本書については、正直甲賀ファン以外なら無理に手に入れて読むほどのものではない。私としても、英米黄金時代のクロフツの代表作を甲賀がいかに訳しているかの興味の方がまず先だっている。普通ならば創元推理文庫版「英仏海峡の謎」で十分であろう。
結果思ったのは、このフレンチ物を訳したということは甲賀にとってはプロットの妙と熱心な捜査の結果、犯人の狡知に辿り着くこの手の作品がお気に入りだったのだろうということ。もっとも黄色い部屋をベストに上げているので一概には言えないが、この形が甲賀の目指した長篇の一つの理想の一つだったのではなかろうか?
さて、事件は不可解な状況から始まる。遊覧船の死体が2つ。某金融業者の最高経営者達たちだったのだ。他にも行方を眩ませた会社関係者もおり、フレンチの捜査は彼らの捜索を中心に行われるが・・・・。プロットの起伏に富み、意外な方向へ流れつく結末。証拠という証拠は結末まで見当たらないとはいえ、その疑うべき材料は既に目の前に揃っていたのだ!
という凡人探偵フレンチを起用した、クロフツ流リアリズム本格探偵小説だ。 (2005年1月読了)
甲賀訳の本書については、正直甲賀ファン以外なら無理に手に入れて読むほどのものではない。私としても、英米黄金時代のクロフツの代表作を甲賀がいかに訳しているかの興味の方がまず先だっている。普通ならば創元推理文庫版「英仏海峡の謎」で十分であろう。
結果思ったのは、このフレンチ物を訳したということは甲賀にとってはプロットの妙と熱心な捜査の結果、犯人の狡知に辿り着くこの手の作品がお気に入りだったのだろうということ。もっとも黄色い部屋をベストに上げているので一概には言えないが、この形が甲賀の目指した長篇の一つの理想の一つだったのではなかろうか?
さて、事件は不可解な状況から始まる。遊覧船の死体が2つ。某金融業者の最高経営者達たちだったのだ。他にも行方を眩ませた会社関係者もおり、フレンチの捜査は彼らの捜索を中心に行われるが・・・・。プロットの起伏に富み、意外な方向へ流れつく結末。証拠という証拠は結末まで見当たらないとはいえ、その疑うべき材料は既に目の前に揃っていたのだ!
という凡人探偵フレンチを起用した、クロフツ流リアリズム本格探偵小説だ。 (2005年1月読了)
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学