つくられた明日/角川文庫/眉村卓

「ねじれた町」に期待外れ的なコメントを残しつつ、続けてこちらを読み始め、続けて一気に読了してしまうあたり、その実、この作者を気に入りだしているのかもしれない。そしてこの「つくられた明日」こそが、ねじれた町の第一印象でもあった、時空間系のSFだったので楽しめた。
書店に普通に並んでいる占いの本は、まさに何でも適中していた。日別の占い結果が載っているわけだが、まったくの抽象的正解ではなく、それなりの具体性を伴って当たり続けていると気味も悪くなるというものだ。まさに未来予告のごとくだ。そして10/31が危機を迎えると記述、そして11/1が真っ白なページ・・・。死を意味すると頭をよぎってしまった主人公は恐怖した。そこに友人を巻き込みつつ、なぜかサファリルックで統一された連中がその占い本を敵視し出したり、それに敵対する紳士風の連中が現れたり、そしてタイムパトロールなる言葉がでてきたり、彼らがやっていることはまるで子供騙しで馬鹿馬鹿しいようなことならのだが、その実は各陣営にとって、あまりにも重要な、恐るべき闘争だったのだ。おちゃらけたストリー展開とは裏腹に、底辺に流れるもの、とくにラストは非常に重い。
(2005年1月読了)

ねじれた町/角川文庫/眉村卓

実は我ながらこの作者の作品は初読になる。
そもそも和製SFは海野十三と蘭郁二郎しか読んだことがないに等しかったのだ。
そしてこの作品は時空のネジレでもあるのかなと思って読み始めたのだが、正直言ってこれはどこがSF? と思うしかない読後感だった。ファンタジイではないのか? 
意思力がものを言う超閉鎖敵的封建社会がそこにあった。主人公一家は父親の出張というごく当たり前とも言える日常の延長から、Q市へやって来たのだが、その町の初日からして明治時代へ迷いこむという尋常ならざる事態。妖怪や鬼の類も普通に出現。そうなのだ。この町は尋常ならざる力が働いて尋常なるネジレを発生させていたのだ。さて、主人公の運命と町の運命はいかに流転していくだろうか? といった梗概で、それなりに面白く読ませはするが、話の発想に付いて来かねる所も感じてしまった。
(2005年1月読了)
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