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キングを探せ/法月綸太郎/講談社文庫

まずこんなにオーソドックスで実に読ませる本格探偵小説が読めて幸福感に浸れることも珍しい。

トランプで役割を決める4重交換殺人の話し合いからはじまる本編。
まずは主人公となるのは交換殺人者たちだ。
続いてお馴染みの法月父子が出てくるという流れ。

まず感情移入できるのは、殺人者の夢の島。皮肉なことに彼らは生き生きと描かれ、「まず」では済まないものを作品に与えてくれた。感情移入できるように作者に作られたのも頷けるし、それほど緻密なのだ。

結局4重交換殺人はある罠から露見してしまい、トランプの役割を持った殺人者達は追い詰められていく。
さて法月綸太郎の推理はどのように冴え渡り、殺人者の欺瞞を見破っただろうか。

アクシデントも含めて、犯人と探偵のスリリングな頭脳戦。ロジックに寸分の隙も見当たらない美しい芸術作品の様相。この本を読み終えた時はあまりの美事な探偵小説とばかりに、酔いしれてしまっていることだろう。

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ノックス・マシン/法月綸太郎/角川文庫

2014年のこのミス1位という帯。法月綸太郎シリーズではなく、表題作を中心とした驚異の本格SFの中短編集だった。
いずれにせよ、SF的素養と欧米の黄金時代本格探偵小説の知識が無いと楽しめないというマニア向けの作品集となっている。

「ノックス・マシン」は「陸橋殺人事件」で有名なノックスの十戒が取り上げられた近未来SF。

近未来では、数理文学解析により物語が自動生成されるようになっていた。そんな中、ユアン・チンルウは 第5項の差別的で政治的問題になっていた「探偵小説には中国人を出してはならない」という条項を研究し、 ついにはNo Chainamanの理論に行き着き、それが史上初の夢の双方向タイムトラベル成功に繋がるというのだが?

表題作にして圧倒的なSFと本格ミステリの融合の前に驚異の息を呑むしかないだろう。


「引き立て役倶楽部の陰謀」はポワロのワトスン役ヘイスティングス大尉を主役にした物語。そのまんま ワトスン会長を初めとした引き立て役たちの会合での恐るべきクリスティへの糾弾をテーマにしたパロディ。
ここではヴァンダインの探偵小説作法二十則やクリスティ誘拐事件との絡みが面白い。


「バベルの牢獄」。なんだこれは?というような笑劇のラストだが、読むのがしんどい割に笑うしかないところが、それでも面白い。


「論理の蒸発――ノックスマシン2」は表題作の続編。こちらはブラッドベリの華氏451度とクイーンの国名シリーズの読者へ挑戦を 取り上げた作品。表題作ほどではないが、同じ流れを楽しめる。


怪盗グリフィン絶体絶命/法月綸太郎/講談社文庫

怪盗グリフィンに依頼が不可思議な依頼が来た。 ニューヨーク・メトロポリタン美術館所蔵のゴッホが贋作だから、それを本物とすり替えて欲しいというのだ。 そして更にはそこから発展して、カリブ海に浮かぶボコノン共和国の曰く付きの呪いの土偶を盗まねばならない状況に追い込まれてしまうのだ。 果たして、陰謀の中の真実と虚構とはいかなるものだったか。

子供向けのユーモアあふれる設定の冒険活劇ながらも本格ミステリとしての論理性もまさに法月綸太郎らしく十分であり、 二転三転し続けるような意外や意外の展開に驚かされて楽しめる作品。

しらみつぶしの時計/法月倫太郎/祥伝社文庫

寡作の探偵小説家の法月倫太郎の1998~2008の作品を集めた短編集。

「使用中」は作り出した密室内部に戻りたくても戻れないという犯人の心理を扱う密室ジャンルの別面を描こうとした作家とそれを理解できない駄目編集者のやり取りが、実際の事件になってしまうという笑えそうで笑えない話。密室物の変形パターンとしては面白いと思う。

「ダブルプレイ」は交換殺人ものの変形パターン。

「素人芸」は腹話術もの。これも笑えそうで笑えない悪戯心がある意味恐い。

「盗まれた手紙」は実際に出来る暗号/復号通信が面白いパズルもの。盲点を推理するのは楽しいゲーム。

「猫の巡礼」はミステリではないが、猫好きには堪らない一篇。猫たちが一生に一度聖地へ巡礼する習性が存在する世界を描くファンタジー。

「幽霊をやとった女」はハードボイルド風なのか。外套を燃やされた主人公が雇い主の女に外套をもらい、女の夫を尾行した結果、恐るべき結末になるという話。

「しらみつぶしの時計」はパズルもの。一分ごとに分かたれた1440個の時計の中から実際に正しい時計を探せ!というゲーム。作者は回答からゲームを作ったんだろうなと思うが、こういうゲームも楽しい。

「トゥ・オブ・アス」は「二の悲劇」の短編版。至福のはずの偶然が生んでしまった悲劇。まとまりはとてもいい。

他に「イン・メモリアム」や「四色の問題」も収録している。

テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

二の悲劇 祥伝社ノン・ポシェット(文庫) 法月綸太郎

あまりにも切なすぎる恋と、それに伴うまさに二の悲劇!二の悲劇!二の悲劇!法月綸太郎シリーズである。犯人が分かっている顔を焼かれた殺人と謎的叙述、そして悲しみ溢れる手記!。
真相は中途である程度は推測できたが我ながら裏付けが完全ではなかった。ただ法月らのような心理学的回り道はしなかったが、そちらの方にむしろ驚いてしまった感もあった。
(2001年10月読了)

テーマ : ネタバレ無し探偵小説
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