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鍵の掛かった男/有栖川有栖/幻冬舎文庫

#有栖川有栖 の #火村英生 シリーズの最長長編。#鍵の掛かった男 ネタバレなし紹介と感想を少々。 #大阪 の #中之島 のホテルのスイートルームに5年間も泊まり続けた男がカーテンの紐で 縊死した件は自殺と処理されつつあったが、同ホテルを愛した女流歴史作家は他殺の疑いを感じ、名探偵の噂から火村の友人で有栖川有栖へ接触を図るという発端。 足の探偵よろしくの活躍のアリスもさることながら、物語は鍵のかかった男のミステリアスな過去を知るにつけて、何とも奥深い感慨を抱かせるのだ。 本格ミステリを読んでるはずが中之島の醸し出す情緒的な世界にも触れられる不思議な長編作品になっている。 もちろんそれを味わった上だからこそ真相も一味違うものになるのだ。 #新本格 #幻冬舎文庫 #火村英生シリーズ #700ページ超 #本格ミステリ #梨田稔 #中条省平

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インスタでも書きましたが、有栖川有栖の火村英生シリーズの最長長編となる作品。

大阪 の中之島にあるホテルのスイートルームに5年間も泊まり続けた、つまり住み続けた男が前触れなくカーテンの紐で縊死した件は自殺として警察にて処理されつつあったが、同ホテルを愛する人気女流歴史作家は他殺の疑いを感じ、かねてから名探偵という噂を聞いていたことから、作家パーティの席にてその火村の友人の有栖川有栖へ接触を図るという発端となっている。

足の探偵よろしくの活躍のアリスもさることながら、物語は鍵のかかった男のミステリアスな過去を知るにつけて、何とも奥深い感慨をも抱かせるのだ。

本格ミステリを読んでるはずが中之島の醸し出す情緒的な世界にも触れられる不思議な長編作品にもなっている。
もちろんそれを味わった上だからこそ真相も一味違うものになるのだ。

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幻坂/有栖川有栖/角川文庫

お馴染み作家であり、2017年度大阪ほんま本大賞受賞作ということで書店で目立つ位置に積まれていたので、手に取った一冊。
大阪で住んでいながら大坂と呼ばれていたことも良く存じていながら大阪の坂というのをほとんど意識したことが無かったので興味深かったのもある。

天王寺七坂を題材にした怪奇。連作短編集でそれぞれ味わいが全く異なるのが凄みを感じさせる。
実在する天王寺七坂の「清水坂」「愛染坂」「源聖寺坂」「口縄坂」「真言坂」「天神坂」「逢坂」「枯野」「夕日庵」の九編を収録。

「清水坂」は子供の頃の思い出話という内容で、誰もが持つ憧憬と後悔の物語。大阪弁の語りが心地よいが物悲しい。

「愛染坂」は運命の出会いを果たした筈が、運命ゆえに悲しい方向に流れてしまう悲哀。

「源聖寺坂」は館を舞台にしたもっと直截的な幽霊譚。第三者が主役のためか効果は弱いが、変な話だが、もっとも現実味が色濃い怪奇探偵的ではある。

「口縄坂」は猫好きには面白い前半からの不快な後半というアンバランス。あまり効果的な展開ではない。

「真言坂」は死んでしまった恩人がいつまでも幽霊として優しく現れるという話で、物語としてはもっとも幻想的で美しい去り様。ゆえに個人的には本作が最高傑作。

「天神坂」は料理屋を舞台にした作品だが、登場人物が全員普通じゃない。「源聖寺坂」に出てくる心霊専門探偵が出てくるが、こちらの方が本書には相応しい幻想的な怪奇譚。

「逢坂」は小劇場の舞台俳優が主役。幽霊の設定は不思議な安らぎを与えてくれる。俊徳丸の舞台を巡る展開は幻想世界に相応しい。


tag : 有栖川有栖 天王寺七坂 大阪七坂

虹果て村の秘密/有栖川有栖/講談社文庫

元がジュブナイルということだけあり、なによりも心地よく読後感もさわやかそのもののオーソドックスな本格ミステリだ。

母親がミステリ作家の優希(ユー)は小学6年生。将来は刑事志望なのだが、夏休みに母親の故郷であり別荘がある地である虹果て村を訪れていた。同行者は級友で父親が刑事、ミステリ作家志望の秀介のみ。 母親は遅れてやっってくる予定だったものの、仕事+台風などのために作品には登場できなかったが、多くの名言を残してくれたため、解説でも 触れられているように印象は深い。

虹果て村は虹にまつわる伝説の多い地である。そこでは高速道路建設を巡って、賛成派と反対派が争うという状況となっていた。 そうした最中、反対派の一人が殺害される。状況は密室。ダイイングメッセージ付きだ。怪しい賛成派にはアリバイのものも多かった。 ユーと秀介は協力して事件の謎を解き明かそうとするが。。。という展開。

上記のようにアリバイ、密室、ダイイングメッセージといった本格ミステリの基本を為す要素が古典的なオーソドックスな形で活用されているのが 本書の優れたところ。犯人当ての推理は十二分に楽しめるだろう。元が本格ミステリ初心者を対象にしているので当たり前なのだが、この古典的手法というのがファンにとっても 非常に喜ばしい形式でもあり、時には望まれる形なのだった。

本格ミステリ初心者には入門編として是非お勧めしたい一書だ。

長い廊下がある家/有栖川有栖/光文社文庫

火村准教授と作家有栖川有栖シリーズ物。
「長い廊下がある家」、「雪と金婚式」、「天空の眼」、「ロジカル・デスゲーム」の4本の短編を収録。


表題作の「長い廊下がある家」は火村准教授の学生が冬の廃村にて遭遇する不可能犯罪事件。
2つの家が地下の長い廊下にて接続されているという状況下で、殺人事件が発生する。
しかし長い廊下の途中に位置する扉は固く施錠されており、死体と殺害場所は、容疑者達とは扉を挟んで反対側。アリバイ時間内には 到達不可能にあるという状況。この事件の謎は?
という話。

どうにも人間心理からして納得いきかねる結末だった。これならば有栖の考えた壮大なトリックの方が面白かったのでは? という感想。


「雪と金婚式」は、仲良し夫婦の金婚式の祝い日に、離れで厄介者の親戚が殺害されるという事件。
容疑者は絞れていたものの、どちらにもアリバイがあるという状況。にもかかわらず、雪降る晩に起こった事件について、 夫は犯人を推理していたが、偶然にも記憶喪失になってしまったため、犯人当てについて火村の出番が来たという展開

その場で認識したその時の状況が必ずしも真実ではないというところが面白いところか。


「天空の眼」、火村助教授が出てこず、結果的に有栖川だけで事件に挑む形となるのが本編。
幽霊の映った写真の相談を受けたこと、その幽霊が映っていると指摘した人物が鉄壁のアリバイを持ちながら、殺人事件の重要人物に取り上げられているという。 有栖川は足を使った実地調査から幽霊と、そして事件の謎を妄想する。

異色作だけに興味深く読める一作。


「ロジカル・デスゲーム」、こちらは基本的に火村准教授と犯人の二人だけが唯一の登場人物。その時点で異色作だが、 この表題作にも嘘偽りもなく、3つのグラスの一つに致死量ちょうどの毒薬が入っているという死のゲームを 火村准教授に挑む変質者が主人公なのである。さてゲームの顛末は?

本短編集で最大に評価できるのが本作である。異色作というのも手伝うが、火村の出した運ではなく論理から導かれた結論の鮮やかさには拍手するしかない。

テーマ : オススメの本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

江神二郎の洞察/有栖川有栖/東京創元社

私自身が学生だったころから愛読していたシリーズの短編集だから感慨深かった。
その割に購入して半年以上放置となっていたのはご愛敬だ。

収録作は次の通り。
瑠璃荘事件、ハードロック・ラバーズ・オンリー、やけた線路の上の死体、桜川のオフィーリア、 四分間では短すぎる、開かずの間の怪、二十世紀的誘拐、除夜を歩く、蕩尽に関する一考察

全体的にアリスたち英都大学推理小説研究会のメンバーによる日常の謎に挑むことになる短編集になっている。

「瑠璃荘事件」は望月周平が下宿でちょっとした泥棒として疑われている状況を、論理的に真犯人を当てるというもの。

「ハードロック・ラバーズ・オンリー」はロック喫茶の顔見知り女性に町中で声が届かないという不思議について。

「やけた線路の上の死体」はレビュー作の鉄道アリバイもの。望月周平の故郷和歌山県南部町が舞台。

「桜川のオフィーリア」は英都大学推理小説研究会の創設者が登場する。過去の水死体として出てきた少女の写真を持っていた真意とは?

「四分間では短すぎる」は隣の公衆電話から聞こえてきた表題のセリフについて、そこから物語を推理する

「開かずの間の怪」は幽霊屋敷物。不可思議な怪奇現象に直面する面々。

「二十世紀的誘拐」は望月、織田の担当教授の家の叔父の絵画が盗まれるという事件。犯人は弟とわかっているが、その二十世紀的犯罪とは?

「除夜を歩く」はアリスと江神のみが登場するが、題材は望月の書いた犯人当て小説。二人の会話が楽しい。

「蕩尽に関する一考察」はマリア登場から入部までの顛末。古本屋主人が浪費して回りに金をばらまく理由は?



全体的に言えるのは、単なるミステリの短編集として見たらきっと物足りないのは間違いないが、 アリスとその先輩たちとの深い繋がりを楽しめるのは間違いないというものだ。

江神、望月、織田、アリス、マリアとこの面々の話が読めるだけで不思議な喜びを感じている。

今現在のファンはもちろん、かつて学生アリスシリーズファンだったならば、きっと懐かしくも楽しめる短編集なのは間違いない。

テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

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