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奇談蒐集家/太田忠司/創元推理文庫

自分自身が体験した奇談を話してくれる客人を募集している不思議な新聞広告。高額報酬ありだが審査あり。
その奇談を募集しているのは恵美酒というちょびひげ紳士と氷坂なる助手なのだが。

現実のものとも思えない不思議な話を、現実の生々しい事件に昇華させるところが見事。

収録作は
「自分の影に刺された男」(子供時分から自分の影に怯える男が語った影に襲われた話)
「古道具屋の姫君」(鏡に映った幽霊とのロマンス)
「不器用な魔術師」(不器用なまでの壮大な魔術)
「水色の魔人」(生々しい怪人)
「冬薔薇の館」(幻想のままに)
「金眼銀眼邪眼」()
「すべては奇談のために」(物語の掉尾に相応しく)

圧倒的に順番の配置が絶妙で、普通に順番に読んで行くのが一番良い。どれもミステリとしてはライトな部類なのだが、奇談として語られるだけに味が相当濃くなっている。それに冬薔薇の館などは怪奇の味が絶妙だ。だんだん物語に引き込まれていくのは請け合いだ。

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