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悪魔黙示録/赤沼三郎

「新青年」昭和13年4月増刊号発表の作品。

戦前では珍しい長編作品で、以下の部と章題となっている
第一部:「祭の夜の惨劇」「踊る幻影」「異人墓地事件」
第二部:「新情報」「透明兇器」
第三部:「再生人間」「追跡! 真犯人は」「死の書」

島原半島の雲仙(小浜温泉)に代表される長崎県や熊本県阿蘇など九州というローカルの地で発生した連続殺人事件は、トラベルミステリーの様相すらも感じさせる。
第一の事件は雲仙のホテルで発生した。夫人が風呂場で殺害されるといったもので、状況証拠から夫人と不倫をしていたと思われる青年が疑われることになった。

主人公は大阪の新聞社に勤める松山という記者である。この松山記者、優秀なのか、無能なのか、正直ストーリー展開の司会者ではあっても、 名探偵といったポジションではなく、事件を追いかける行動力は素晴らしいのだが、固定観念から抜け出せず、なかなか真相には到達することは出来ないタイプの主役である。
そもそもからして第一の事件の裏に、連続殺人を示唆する激烈な脅迫文を見いだしたにも関わらず、色々な側面があるにせよ当局にも報告せず、しかも事件は連続殺人に発展してしまっているのだから目も当てられないところだ。

それはともかく、事件が移り変わるテンポの良さは読む者に引き込む力には満ちている。「悪魔黙示録」というテーマについては唐突感を感じざるを得ないが、 悪魔が滅する場所として、阿蘇を選出したのは悪くはないだろう。

なお現在、ミステリー文学資料館編の光文社文庫『悪魔黙示録「新青年」一九三八』などで読むことが可能となっている。(実は昭和50年代初頭に雑誌「幻影城」にも採録されており、7、8年前から私はその号を所持しているのだが、にも関わらず本作は未読であった。読みしぶるような作品ではないだけに愚かなことである。)
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寝台/赤沼三郎

寝台/赤沼三郎

「新青年」昭和13年4月号発表の短篇。
半死半生ながらも執念がなさしめた復讐の切っ先。寝台の男が取りうる唯一の手段。妻に裏切られた男は、更に裏切りを重ねられたのだ。絵の完成は見たが、それを利用した姑息な罠。結果寝台生活者になってしまったのだが、夫は秘めたる計画を考案していたのだ。何たる一念だろうか。象徴的な詩は、暗示を与え、恐るべき計画は実行に移される。ああっ、この探偵小説、どこまでが策略なのだ。
なお現在、 光文社文庫「新青年傑作選」 等で読む事が可能である。
(2002/5/6初稿)


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