森下雨村探偵小説選Ⅲ/森下雨村/論創社
アパートで他人が部屋で死んでいる事件が発生する「桃色の胸衣」は中編の探偵小説で興味深い発端。この作品が唯一の中編で他は新青年の連続短編、多くは探偵小説とは言いがたいコント風作品が多いが、短編が並び、そして最後に戦前探偵小説界自体に興味深い私としてはもっとも興味深いかもしれぬ評論随筆が収録となっている。
乱歩の世界管理人による読書記録ブログ版です。 主に推理小説(ネタバレ無し)を記載していきます。
アパートで他人が部屋で死んでいる事件が発生する「桃色の胸衣」は中編の探偵小説で興味深い発端。この作品が唯一の中編で他は新青年の連続短編、多くは探偵小説とは言いがたいコント風作品が多いが、短編が並び、そして最後に戦前探偵小説界自体に興味深い私としてはもっとも興味深いかもしれぬ評論随筆が収録となっている。
インスタの方で紹介済みだが、こちらでも整理の上で記録しておく。感想文は改稿程度の差。
森下雨村、「新青年」昭和11年5月号発表の短篇。
連載短篇中の作だ。船長とペットの幸福話である。それは果たしてユーモアだったのか? それははっきりよくわからないが、それとも普通小説だったのか? ペットとは二等機関士が購入した猿公であり、社長令嬢が欲っしていたというのである。ただその猿公が乱暴者で……、と言う展開。海に落ちた猿公、猿公と二等機関士の仲の良さの不思議? もある。ともかく全然大したことはない。
なお現在、気軽に読める本は存在しない。
(2002/10/13初稿[妖鳥の涙])
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学
探偵小説の父とも言える森下雨村が「新青年」昭和11年新年号に発表したもので、七回続く連続短篇の掉尾だった。
しかしその本作も単なる軽いユーモア物に過ぎず、全く取るに足りない物だ。ロシア産の黒狐の襟巻きという高価なものが廻りに廻って質屋に辿り着くや元の黒猫に戻るというもの。そもそも田代が子どもを海から救出したことでユーモアループは繋がったのであったが、浅ましきは人である。特にあの親爺である。
なお、現在、手軽な本で読む事は出来ないが、この程度では、それも仕方ない、と言えるだろう。
(2001/11/24初稿[妖鳥の涙])
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学