骸骨/西尾正
骸骨/西尾正
西尾正、「新青年」昭和9年11月に発表短篇。
嵐の夜に暗海に昇天する骸骨の男! そこには如何なる決意があったというのだろうか。本作は作中で伏名ながらも梶井基次郎の傑作「Kの昇天」を引用するほどで、その姉妹編と言っても言い過ぎではないかも知れない。それほどの西尾正の美事なる怪奇の結晶なのだ。女に魂を救われた男は、結局、悦楽の果てに滅びていったのである。
なお、現在、論創社の「西尾正探偵小説傑作選(1)」等で読む事が可能だ。
(2001/11/11初稿[妖鳥の涙])
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学