変化する陳述/石浜金作
変化する陳述/石浜金作
石浜金作が「新青年」昭和3年4月号に発表した短篇。
それは一種の深層に潜むトラウマだったろうか。男の拳銃に対する恐怖心理と精神混乱が引き起した余りにも悲しすぎる事件だったのだ。殺害事件が起った時、最初加害者の女は恋人でも無い相手に拳銃で脅迫された挙げ句のいわば正当防衛だと供述。しかし段々証拠が挙がるにつれて、変化する供述になっていくのだ。果たして妖婦の為せる業だというのだろうか。とにかく精神分析の先駆的物で傑作だろう。
なお現在、光文社文庫「江戸川乱歩と13人の新青年(論理派)編」で読める。
(2001/11/28初稿)
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学