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不幸な人達/浜尾四郎

不幸な人達/浜尾四郎

浜尾四郎の本格味もある怪奇短篇。
ある分量以上飲むと致死量に達するという薬。しかしこれは分量さえ守れば睡眠薬になる。この睡眠薬を巡って、人は単なる思いこみで利いてしまうのか、ということになってしまい・・・・・・・、恐ろしい終末を迎えてしまうのである。錯誤が錯誤を生んでいた。不安材料的にも勢揃いだったのが精神を圧迫したのだろう。そして現実への反射。確かにこれは早まりすぎた悲劇も仕方がないのかも知れない。そして生きる者にも悲劇は波及するというのだから悲惨すぎである。悪戯と実践が生んだ悲劇だと言っておこう。
なお、現在春陽文庫「博士邸の怪事件」で読める。
(2003/9/25初稿[妖鳥の涙])


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テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学

凍える島/創元推理文庫/近藤史恵

喫茶店の慰安旅行と称して店員と常連とその仲間恋人達が孤島へ旅立つ。そこで待っているのはお約束の殺人事件。

ライトノベル風の軽い女性的な語り口でほんわかした生活模様や人間模様が語られると思いきや、主役からして不倫の恋の真っ只中で、しかも今回の旅のメンバーにその相手と妻がいるという何とも何とも事件が起こりそうな雰囲気プンプンではないか。
本作は愛と死、不思議な相反する感情がテーマである。あまりに生々しく重い感情のもつれ合い、それは作品全体を覆っている謎でもある。無機質で覆われた本格ミステリも面白いが、このような何とも言えない霧に包まれたような女性作家ならではのタッチ。そして新鮮な何ともいえない読後感を得たいならば本作はお奨めできる。
第4回鮎川哲也賞受賞作。
(2007年3月読了)

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男の首 黄色い犬(創元推理文庫/ジョルジュ・シムノン/宮崎嶺雄訳)

異常心理を扱ったメグレ警部最初期2作。
「男の首」は「モンパルナスの夜」と言う題名で戦前から知られていた名作だが、ドストエフスキーの「罪と罰」を幾分大衆化させたかのような者を彷彿させる異常な動機が面白い。
メグレは仕組まれた冤罪事件に挑戦する。明らかに極悪犯罪の犯人と見られていた死刑囚をメグレは逃がすてはずをし事件の真相を探ろうとする発端。
「黄色い犬」も同じ流れで動機の秀逸さが複雑性を増している。作品の重厚では「モンパルナス」には敵わないが、真相究明の所のドキドキ感は溜まらない。タイトルの黄色い犬は連続殺傷事件の現場で見受けられたことから。有力な犯人候補をあげるも矛盾しか表面に出てこないこの事件の真相は?
(2004年10月読了)

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殉教カテリナ車輪(創元推理文庫/飛鳥部勝則)

第9回鮎哲賞受賞作。
絵画の意味をを分析読み解くという図像学。これを本格ミステリに絡める試みに成功を収めている所には脱帽しかない。
ストーリーはひょんな事から既に亡き画家の東条寺桂に興味を持った学芸員が彼の残された絵を探索、そしてそれを分析しているうちに、桂の自殺にも関係すると思われる二重密室殺人事件に直面すると言う展開。
その本格ミステリの部分も一筋ではない面白い手法を持っている点もよかった点だが、何よりも本作は図像学、まさにこれに尽きると言って良いだろう。
(2004年4月読了)

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シンデレラの罠(創元推理文庫/セバスチアン・ジャプリゾ/望月芳郎)

「私がこれから物語る事件は巧妙にしくまれた殺人事件です。私はその事件で探偵です。証人です。被害者です。その上犯人なのです。」と言う煽り文句が示すとおりの恐るべき作品。
目が覚めたときには記憶が無く、顔と髪、指紋を失っており、人々は私を「ミ」と呼ぶ。「ド」なる同居人は不幸にも死んで終ったそうだ。しかしその後の錯綜と錯誤の末に待っていた結末は意外な正体だったと言う展開で、最後の最後までスッキリしない謎々が続いていく興味深い作品。
(2003年10月読了)

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