不幸な人達/浜尾四郎
不幸な人達/浜尾四郎
浜尾四郎の本格味もある怪奇短篇。
ある分量以上飲むと致死量に達するという薬。しかしこれは分量さえ守れば睡眠薬になる。この睡眠薬を巡って、人は単なる思いこみで利いてしまうのか、ということになってしまい・・・・・・・、恐ろしい終末を迎えてしまうのである。錯誤が錯誤を生んでいた。不安材料的にも勢揃いだったのが精神を圧迫したのだろう。そして現実への反射。確かにこれは早まりすぎた悲劇も仕方がないのかも知れない。そして生きる者にも悲劇は波及するというのだから悲惨すぎである。悪戯と実践が生んだ悲劇だと言っておこう。
なお、現在春陽文庫「博士邸の怪事件」で読める。
(2003/9/25初稿[妖鳥の涙])
テーマ : ネタバレ無し探偵小説
ジャンル : 小説・文学